NO.20 「何して遊ぶの?になる前に」 03.9.3

 
    
(真剣にプリン作りに取り組む2人) …園庭で。

  極端に言えば、「遊び」には2種類しかないと思う。
お膳立てがあるか、ないか…。消費型か創造型か…。受動的か能動的か…。結果が決まっているか、いないか…。 そして 良くないか、良いか…。

今日のあなたのお子さんは、どちらの遊びを多くしたのだろうか。
良い遊びをすれば、子どもは自分で限りなく育っていく、一方、良くない遊びばかりしていると「自ら育つ力」は減っていってしまう。

「自ら育つ力」→「生きる力」また「遊べる力」→「生きる力」だとも言える。

子どもは本来、その力をたくさん持って生まれて来ている。
だから大人だったら10分ももたない、ただの「砂」や「泥」や「水」で、長い時間本当に楽しく遊べるのだ。

外で…
砂場で楽しく遊ぶ→何と「創造的」・「能動的」・「結果は決まっていない」遊びだろうか。
「次はああしてやろうこうしてやろう…」とワクワクしながら考えている…その時の脳はとても活性化していて健康的なよい状態にあるという。

室内で…
ままごと遊びや、積み木遊びも同様な遊びだ。とても「想像・創造力」がいる。

ここで少し考えてみて欲しい。
これらの遊びは→お金の「消費」は殆どない。→刺激が少ない。そして何より自分で遊びを「組み立て」ていかなくてはならない。

一方良くない遊びはというと、お金は「消費」し、刺激は多く、お膳立てに従うだけで遊べる。ということになる。攻略本を読むなど、当然情報を多くもっている者が優位に立てる。
これでは、自分で遊びを「組立てる」ことができない。

恐ろしいのは、遊びの「組立て」ができないと将来、生活の「組立て」や、仕事の「組立て」、ひいては人生の「組立て」も危うくなってくるということだ。

良くない遊びの方を多く体験してきてしまうから…、「生きる力」か少なくなって無気力になったり、人生の目標や意味を見出せなくなってしまったりするのではないだろうか。

このことを解消して、「生きる力」をつけさせようと、小中学校で「総合学習」というものをとり入れているが、テレビ等で次々と紹介される刺激的かつ消費型の遊びに浸かってしまっている彼等の年代ではもう「遅い」と言える。

「遅い」か「大丈夫」か判定するのは簡単だ。子どもを特に人工物のない自然の河原や野原などに連れていって、「好きに遊んでいいよ」と言えば良い。

喜んで遊び始めれば大丈夫。「何して遊ぶの?」となれば深刻である。
幼稚園の年中児までだったらまず「大丈夫」と思うが、年長児になると、もう危うい子がいるかもしれない。
「何して遊ぶの?」になる前に、できるだけ「よい遊び」を!
それには、特に幼児の場合、保護者の方も一緒になって「よい遊び」を楽しんでいただければと思う。これは、しらさぎ幼稚園からの切なるお願いです。

追記:
幸い今年の夏は涼しかったせいか、見沼たんぼを通りかかると、網などをもって楽しそうに親子で遊んでいる姿を何度も見かけた。とても微笑ましい光景だった。