NO.34 「たばこはごめん」 05.5.10

 
1.少し前、ヤフージャパンのニュースにこんな記事が載った。
「受動喫煙の機会が多い子どもは、読解力や算数の成績が悪い」
アメリカ・オハイオ州のシンシナティ子ども病院の研究チームが6歳から16歳のタバコを吸わない子ども約4400人を対象に、ニコチンが分解されてできる「ニコニン」という物質の血中濃度を測定し、読解、算数、論理的思考力、短期記憶力をテストした。
その結果、この「ニコニン」の血中濃度が高いと読解、算数、論理的思考力の点数が低くなり、その濃度が極めて低い状態でも関連ははっきりしていた。
この検査を受けた子ども達の血の中に存在していた「ニコニン」は同居している家族からの受動喫煙によるものである。

2.この記事を読んで、「受動喫煙」をインターネット上で検索したら、下記のようなことも出ていた…。

こどもが受動喫煙にさらされると、医学的に以下の危険がある。
1)乳幼児突然死症候群の原因となる。
2)気管支喘息、肺の病気、中耳炎などにかかりやすくなる。
3)病気入院が増える。
4)身長の伸びが悪くなる。
5)知能の発育が劣る。
6)虫歯になりやすい。
7)成人後の発がん率が高くなる。

3.先日、受動喫煙について検証したテレビ番組を見た。母親が喫煙者である家庭に空気中に残留する科学物質を測定する機器を持ち込み、子どもがいる隣の部屋でタバコを吸うと子ども部屋の空気はどうなるかを測定するというものである。ちなみにこの部屋同士は間にキッチンを挟んでコの字型に配置された部屋で、部屋間を直接風が通る設計ではない。
母親がタバコを吸い始めると子ども部屋の空気は次第に汚染され、短時間で直接つながっているキッチンとたいして変わらなくなってしまった。
これは、タバコの煙が回り込みながら空気を汚染していくことを証明している。

タバコの煙を好んで吸いたい子どもはいない。
禁煙運動を推進する医師は言っている
「家族は、子どもの見ているところで喫煙している姿を見せるべきではない」と…。(これは、その姿を見て育った子どもが喫煙を肯定的にとらえ、将来喫煙者になってしまう可能性が高いからだそうだ)

体の小さい子どもは、同じ量の科学物質を吸っても我々大人より影響が大きい。(薬の量も少量ですむ様に)
各自治体や機関・施設で、路上禁煙をはじめ様々な取り組みが実施されるようになったが、特に子どもがいる場所というのは、大人だけの場所よりずっと「受動喫煙」に対して真剣な取り組みが必要とされるだろう。