NO.37 「ドイツの子どもは7時に寝ます 」 05.9.15

先月、朝日新聞を読んでいたら夫の仕事の都合でドイツに住まいを移したお母さんがこんなことを書いていた。

幼稚園に通う子どもも一緒にドイツに来たが、近所に住むドイツの子どもは皆夜7時頃寝るので驚いた。テレビ局もこのことに協力していて、子ども向けの番組は7時までに終了し、7時には「もう子どもは寝る時間ですよ」という意味の音楽を流す。

自分の子どもは日本にいた時こんなに早く寝ていなかったので中々慣れずにいた。
向こうは夏だと8時頃まで明るいので、ある日8時に近くの公園で子どもと一緒に散歩していたら、近所の人に
「もう8時なのに子どもと外を歩いているのは、何か特別な事情でもあったのか…」
と心配そうな顔で質問されたとのことだった…。

この記事を読んだ時、正直この人の回りで起こった少し極端な例だろうと思ったのだが、
今月2日、さいたま市私立幼稚園協会の浦和区・緑区支部合同で教員研修会を行った時、講師に招いた児童文学者の斎藤惇夫氏も偶然これとまったく同じ話をされていた…。

ドイツに行った幼い子をもつお母さんから聞いた話だが、こちらの子どもは殆ど7時に寝ている。知り合いになったドイツ人のお母さんから、「お宅のお子さんは毎日何時に寝るのか?」と聞かれ、本当は10時頃寝ているのだが10時と言ったら驚かれると思い、「9時頃です」と、さばよんで答えたところ、
「まあ、何てことをしているの。子どもの成長ホルモンは夜寝ている間に分泌されるのよ。かわいそうだからやめなさい。」
と強く言われた。日本の子どもは皆そんなに早く寝ていないと言うと、
「日本人は子どもの将来、そして社会の将来を真剣に考えているのかしら…」
とあきれられたという…。

日本の5−6歳位の子どもの平均就寝時刻は、夜9時45分という統計がある。以前NHKの「クローズアップ現代」でも、夜更かしが原因で睡眠障害となり、昼間幼稚園や学校で眠くて寝てしまう子、起きていても脳が正常に働いていない子を医療機関が治療するという特集を組んでいた。

昔からある諺(ことわざ)
「寝る子は育つ」は本当だったのだ。そして考えなければならないのは、この「育つ」をつかさどる成長ホルモンが影響するのは、体もそうだが、「脳」ひいては「情緒」も含まれるということである。情緒不安定の子はいわゆる「キレやすい子」「落ち着きがない子」になる可能性が高い。

最後にヨーロッパ諸国に古くから伝わる諺をもう一つ

「子どもと犬は、ドイツ人に躾(しつけ)させろ」