NO.56 「絵本・保育雑誌…」 10.04.05

春休みに、ある幼稚園の理事長先生から電話をいただきました。

「先生は絵本にお詳しいと思うのでお聞きするのですが…。先日私の留守中に「こどものとも社」の営業の人が来てパンフレットと見本を置いていったのです。現在私の園では取引がないのですが、見本を拝見すると絵も文章にも品格があってとても良いなと思ったのです。先生の園ではどの本を採用されているのですか?」

「私の園では、年少から年長まで全園児に「こどものとも」(年齢別)を採用しています。多くが○○ブックという名前の物を「絵本」として採用している園も多く、事実当園でも前園長が就任するまではそうだったのですが、「こどものとも」とそれらでは、作り方が全く違います。「こどものとも」は何年も前から、毎月出る一冊一冊を正式なハードカバーの本としても出版するというスタンスで制作していて、事実その後ハードカバーの正式な本として出版されているものが沢山あります。有名なところでは「ぐりとぐら」もそうです。何ヶ月前からの短いスパンで制作するのと、何年間も編集者と画家・作家が絵と文章を練り、何度も書き直しをして出版されるものとではおのずと同じ物にはならないと思います。その過程を説明してくれる研修にも毎年教員を連れて行っていますが、最初に描いた絵・文章が出版される段階ではガラリと変わっていたりもするのです。」

「それでこのように違うのですね…」

「そうです。でも付録は一切付いていないし、穴が開いたりしている「しかけ」などもないから、そちらに慣れた人に今から急に導入するのは少々無理かもしれませんね。とりあえず、薄い簡易装丁ですが今まで出版された定番の人気絵本をハードカバーの半額近い値段で購入できる「こどものともセレクション」を購入し始めたらどうですか。私の園では、全クラスと図書室用に毎月買っています。何しろ幼稚園・保育園を通してしか購入できず、一般書店では買えませんからね。」

「それは良いことを聞きました。早速考えてみます。」

というようなことで電話は切れました。絵本の素敵な、そして深い世界に足を踏み入れてくださる方が増えたようでとてもうれしく思いました。このコラムを読んでいらっしゃる方も「こどものともセレクション」に興味をおもちになったならどうぞお通いになっている幼稚園・保育園さんに聞いてみてください。4月号の「ぐりとぐら」から始まります。福音館書店に親戚はいませんが、とてもお得ですし、家に何冊あってもよい絵本ばかりですよ。