NO.57 「自然を「感じる」…」 10.04.28

「美しい地球で、こうしてまた自然を感じることができてとてもうれしく思います。」

ママさん宇宙飛行士として知られる山崎直子さんが地球に帰還した時の言葉です。
この「自然を…感じる」という表現がとても山崎さんらしくて印象に残りました。
全くの想像ですが、山崎さんはとても豊かで幸せな子ども時代を文字通り「自然を…感じ」ながら過ごしたのではないかと思います。

「「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと私は固く信じています。」

こちらは、今から50年程も前に名著「沈黙の春」を記し環境汚染問題に警鐘を鳴らした生物学者レイチェル カーソン女史が「センス・オブ・ワンダー」(これも名著)の中で述べている言葉です。カーソンはとても自然豊かな環境で少女時代を過ごしたことで、作家を志しながら生物学者としての自然観を身に付けたことが知られています。

この「自然を…感じる」ということは、大人になってしまってからでは中々身につかないとも言われています。
「そんなことより勉強ができた方がいいんじゃないの」という方もいらっしゃるかと思いますが、カーソンはこんなことも述べています。

「子ども達が出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、様々な情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです」

半世紀の時を隔て、二人の素敵な女性が述べた「感じる」という共通する言葉…。
どうぞ保護者の皆様もお子さんに接する際に、その深い意味をお考えいただければと思います。

*「センス・オブ・ワンダー」は、現在も新潮社から刊行されています。
*この文はしらさぎ幼稚園便りH22.5月号の冒頭文です。