NO.70 「いじめの原因」 12.09.14

しらさぎ幼稚園

 大津市の「いじめ」の問題がマスコミを通じて全国的に取り上げられ、各地で話題となっていますが、一昔前にある中学生から聞いた話を思い出しました…。
 その中学生も「いじめ」に遭いました。それは陰湿で絶対に先生には感づかれない場面で長期的に行われました…。1年間我慢して、仕方なくその子は転校しました。転校先の中学校は同じ市内だったのですが、クラス・学校全体の雰囲気が全く違っていました。「落ち着いて」いたのです。同じ市内の同じ教育委員会管轄の中学校です。違うことといえば毎日始業前に「10分間読書」を行っていたことでした。そして転校した生徒は皆に暖かく迎えられ救われました…。
 いじめに遭った転校前の中学校の休み時間は、いつもお笑いタレントが司会しているバラエティ番組のようだったとその生徒は言っていました。そのテンションに合わせられず、一人で本なんか読んでいようものなら「クラーイ」と茶化されたりヒソヒソ話をされたそうです。一方、転校先の学校ではそのような様子は殆ど見られず、クラスの皆がそれぞれ個人を認め合い、尊重しあっていていわゆる「大人」だったとその子は語っていました。
 この差は何なのでしょう。それは多分「想像力」の差なのだと思います。
いじめをする側に、こんなことを言われたら、されたら自分はどう思うのか…感じるのかということをしっかり想像する力があったなら、いじめというものは発生しないと思うのです。このサイトで何度も言っているように「読書」というものは想像力を生みます。視聴覚から信号を受け取るだけのテレビやDVDの視聴ではそうならないのです。学校内に警察官を駐在させても、いじめの根本的な解決にはなりません。どうかそのことを教育に携わる方、保護者の方に気付いていただき、「本なんかかったるくて読めねーよ」となる前に読書の習慣をつけてあげられたらなと思うのです。「想像力」は他者への「思いやり」にも繋がっていきますので…。