NO.74 「幼稚園の価値」 13.05.14

しらさぎ幼稚園

新年度が始まって約一ヶ月が過ぎました。
最初は登園するのがやっとで、「ママに会いたいー」と泣いていた子も段々と園に慣れ、園での生活が楽しめるようになってきつつあります。今、幼稚園を選ぶのにお悩みの方もいらっしゃるかと思いますが、私達が考える「幼稚園の価値」というものについてお伝えしておきます。


「幼稚園の価値」は、ズバリ卒園後にあると考えます。その子が活き活きと、日々意欲的に小学校生活を送れるかどうか…このことが本当に大切です。

毎年3学期に進学先各小学校の先生と懇談する機会があり、中には授業参観をさせてくれる学校もあります。その際当園では必ず年長の担任全員と園長が出席し、上記のことが達成されているかどうかを見に行きます。多くの場合、ほっと胸をなでおろす事が多いのですが、正直たまには力不足を感じる時もあります。

小学校での生活を活き活きと送るために必須なことは「人の話を聴く力」があるかどうかです。「聞く」ではなく、わざわざ「聴く」という字を何故使っているかというと、耳で音声を受け取るだけではなく、そのことを理解して想像するということまでを指すからです。同じ先生から同じ授業を受けても、この力の有無でかなりの差が生じます。その差が何日・何年も蓄積されたら…ということをお考えください。元々
学校というのは、生徒が「座って先生の話を聴ける」ということを前提にできているシステムなのです。

ですからその前の段階である幼稚園はそのことをしっかりと達成できなければなりません。そのためにとても有効な方法が「絵本の読み聞かせ」です。だから特別なことが無い限り入園式の日から毎日欠かさず行っているのです。しかしながら、これ程有効な方法なのに実際の現場では絵本の読み聞かせは地位が低いことが多く、どちらかというと空いた時間を埋めるための「おまけの活動・サブ活動」として扱われていることが多いようです。また読んであげる本も「保育雑誌」と「絵本」を混同して扱っているなど十分に機能しているとは言えないのが現状です。しらさぎ幼稚園では「絵本の読み聞かせ」は全ての活動の基本であり、土台です。絵本がしっかり聴ければ、運動会や発表会も立派にやり遂げられ、園児は達成感、保護者の方は感動を感じられるものとなります。こういったものが「幼稚園の価値」であると考えながら、私達は日々の保育にあたっています。