NO.75 「クマゼミの声に思うこと」 13.09.06

 昨年の園便りに「暑さの厳しい夏もようやく過ぎ」と記しましたが、今年は日本の最高気温の記録が41℃となったり、東京の最低気温の記録が30.4℃と統計のある138年間で一番高くなるなど本当に記録的に暑い夏でした。

そのことと一緒に最近気になることに「クマゼミの鳴き声」があげられます。
幼稚園の周辺は樹木も多く例年7月初旬のニイニイゼミから始まってアブラゼミ・ミンミンゼミ・朝夕にヒグラシ…。8月下旬からツクツクホウシが鳴いておしまいというパターンが普通なのですが、何年か前からそこに加わったのが「クマゼミ」です。元々クマゼミは九州や四国などに生息し生息地の北限は関東の南部までとされていたのですが、現在は関東地方を通り越して福島県まで生息地域が拡がっているそうです。やはり温暖化の影響と思われます。「シャアシャア」と大きな声で鳴くクマゼミは鳴いていればすぐに解り、あまり情緒があるとは思えないので私は好きではありませんが、蝉ならまだしもマラリアやデング熱を媒介する蚊も生息域を拡げてきているとのことですので油断はできないようです。

こう暑いと9月も暫くは暑さが続くようです。引き続き熱中症には注意が必要なことは言うまでもありません。それと相反することですが、エアコンを使い過ぎて子どもを過剰に暑さから守り過ぎると、実際に汗を出す穴、能動汗腺の数が少なくなり、暑さに弱い子ども・熱中症になり易い人間になるということが知られています。実際暑い地方に育った人程この能動汗腺の数が多くて汗が多量にかけ、暑さに強いようなのですが「暑くてかわいそう」が良いのか、「暑さに弱い人間になってかわいそう」が良いのか…状況に応じて判断することが肝要かと思われます。

 大人と違って本来子どもは活動的なものです。エアコン漬けになるよりも無理をしない範囲で屋外で遊んだほうが、発達段階からいって好ましいのですが、こう異常に暑いとそう単純にもいえないので、やはり我々大人が、この「地球という環境」を次の世代に少しでも良くして渡すという観点に立ち、様々な努力をすることが大切なのだろうと、この夏は本当にそう思いました。
(幼稚園便りH25年9月号より)