NO.76 「矢嶌文夫先生のこと」 13.10.25

 先日は2学期の2大行事の一つである運動会も皆様のご協力により無事終えることができました。どうもありがとうございました。季節外れの暑さの中の運動会となりましたが、子ども達は一生懸命頑張りました。

 さて、さすがに11月となりますと、いくら温暖化しているといっても特に朝晩は冷えるようになり、空気も澄んで、空の青さも増してまいります。いわゆる「読書の秋」の到来です。皆様ご存知とは思いますが、当園では「本を生涯の友とする子ども」を育成するため、特別なことが無い限り毎日必ず絵本の読み聞かせを行っています。このことを始めたのは前任の園長・矢嶌文夫名誉園長です。矢嶌先生は旧浦和市内の小学校にて30年以上教壇に立たれ、その後常盤小教頭、最後は谷田小校長を経て当園に来てくださいました。そして偶然、瀬田貞二さんという日本の児童文学界の発展に大きな功績のあった方のご子息を担任するという縁により、読み聞かせの素晴らしさを更に確信することとなります。

「子どもが本を好きになるかどうかは、その子が本からどれだけの楽しみをもらったかによる」…瀬田さんと共に現在の日本の児童文学界を築いたと言っても過言ではない福音館書店元会長・松居 直さんの言葉です。
矢嶌先生は小学校の担任時代、やはり毎日クラスの子どもに読み聞かせをしていたそうですが、本がよく聴けるクラス程、学力テストの平均点が高いだけではなく、スポーツ大会などの成績も優秀でクラスの団結も強く、いじめなどのトラブルも少ないということを何度も経験したそうです。読み聞かせにより想像力が育ち、今この場はどうすればよいか…。友達を思いやること…などが考えられるようになったからだろうと思うと言っておられました。

読解力は全ての学力の基礎と言われておりますので、学力テストの平均が高いというのはわかりますが、スポーツ大会の成績まで良いというのは面白いことだなと思います。多分当園の子ども達が運動会を立派に頑張れたというのもそういったことなのでしょう。

運動会が終わると次は発表会。どうぞ楽しみにお待ちください。

 
(幼稚園便りH25年11月号より)