グランドピアノ購入
 私事ながら、昨年末に埼玉会館で小澤征爾さん指揮・新日フィルのベートーヴェン・ピアノ協奏曲第一番を聞きました。ピアノは「スタインウェィ&サンズ」でした。もちろん弾き手も超一流(日本人初、チャイコフスキーコンクール1位の上原彩子さん)でしたが、本当に良い音色でした。
音大声楽科に通う娘にその話をしたところ…1.横たわる弦を叩くグランドピアノと、縦の弦を叩くアップライトピアノではそもそも根本的に音が違う。2.木の柔らかい反響により、その辺の音楽ホール以上の音の響きがあるしらさぎ幼稚園の講堂にグランドピアノがないのはもったいない。とのことでした。
うーん…と考えていたところ、タイムリーに県庁から緊急設備費補助金の手紙が来て、購入費用の1/3をくださるというので、早速ピアノ選びを考えはじめました。(よく仕訳にひっかからなかったものです) 名器スタインウェイやベーゼンドルファーなどが買えればいいのですが、当然ながら予算が足りず、またスペースの点でもコンサート用の大きい物は無理です。小さくても良く鳴るものはないのかなーと一生懸命探したところ、東松山市の「杉田楽器店さんのホームページ」にたどりつきました。
中を読んでみると、このサイト以上に「ハッキリとしたこと」が書いてあります。これは気合いの入った面白い店だと思い、東松山まで行って実際にピアノを見てくることにしました。一時間ほど色々な話を聞いて、前記の条件に合う、オーストリアのウィーンで作られている「ウェンドル&ラング」社のものを発注…。幸い輸入元に在庫があったので、何とか1/20の音楽観賞会に間に合うようにと頼んで、園に納品されたのが1/18日の夕方です。杉田さん親子が(お二人とも調律師)見えて、ピアノ直近と、ホールの隅の音を手分けして丹念に聞きながら1時間以上に渡って調律をしました。「明後日にコンサートがあります」と伝えてあったので、杉田さんいわく「初期調律では、おとなしめの音になっていましたが、すぐにコンサートということで明るく花のある音にしておきました」とのことでした。翌日、年長の音楽教室で松島敦子先生が弾いたのですが、「自分がうまくなったかのように感じる」との感想です。もちろん感受性の鋭い子どもたちは、「きれいな音だね」とちゃんと分かっていたようです。
そしてコンサート当日、これもすてきなオカリーナの音とともに園児や来場した皆さんを魅了したのは言うまでもありません。子どもには本物を与える…本当にとても大切なことです。(10.1.22)

ウェンドル&ラングの文字

猫足が素敵でしょう。ホールに合わせて木目カラー

深瀬欽吾オカリナDuo. ピアノは西澤均さん

コンサートが終わって花束を受け取るお二人