ピーターラビットバス制作記 |
桃色コースを走っていたバスが、まだまだ十分使えるのですが、排ガス規制により平成20年3月以降、関東地方では使用できなくなってしまいました。そんなわけで、がんばって代替車両を見つけましたが当然ながら、フツーの車体色です。どうせペイントするなら…と、園舎に合わせた新デザインを考えてみました。さらに1台だけ違うデザインでは…と思い、思い切って3台共同様なデザインにしてみました。それが現在走行し始めた「ピーターラビットのバス」です。 最初に作者のポターさんは亡くなってから50年が経過しているので著作権は消失しているかと思ったのですが調べてみたら、「登録商標」として残っていました。日本でその権利を管理している団体に交渉すると、ピーターラビットのイメージを壊さないために、どのように使用するかはイギリス本国で審査があり、当然ながらそれに従って貰うと言われました。 それはさておき、 以前の幼稚園バスは、「うさぎ」「猫」「熊」のバスでしたが、困ったのは、ピータ-ラビットのお話の中に「熊」はでてこないことでした。それで、「りす」にすることにしました。 こうして、「うさぎ」→ピーターラビット。「猫」→子猫のトム。「りす」→リスのナトキン。の3台のバスをデザインすることが決まりました。(実を言うと、「猫」をトムにするか、モぺットちゃんにするかは最後まで迷いました。) ピーターラビットの本国はイギリス(湖水地方)なので、バスのベースカラーはそれをイメージした渋めの赤色にしました。また、それぞれ3つの絵本の中から、バスに使用する絵を選びました。(一つのバスには一つの絵本からの絵を使用してあります。) それと、この幼稚園は読み聞かせの幼稚園なので、バス後部の絵は各絵本の扉の各キャラクターが本を持っている絵を使用することにしました。「リスのナトキン」は本を持っていない絵だったので、仕方なくそれを選びました。 デザイン会社にやり直しをお願いすること5回、やっと納得がいくものが出来上がって、電子メールでイギリスにデザイン案を送ってもらい、しばらくして返答がありました。それは…。 |
1.子猫のトムは右の母ネコのイラストに正確に対比させた大きさにすること…。(当方は当初、子ども達が解りやすいようにと、トムの絵を大きくしていました) |
子猫のトムです。 |
リスのナトキンです。 |
そしておなじみのピーターラビット。 |
バス後ろの絵、ピーター |
同じく後ろの絵のトム |
そして、なぜだかナトキンではなく、ふくろうの「ブラウンじいさま」。この理由は右です→ |
2.絵本の見開き。最初は左上のナトキンの絵で案を提出したら、他の2台のバスの後部キャラクターは本を持っているのにナトキンだけ本を持たないのはおかしいから、同じ絵本に登場するブラウンじいさまの絵にせよとの指示がきました。 |
こちらが元の絵本3冊です。 |
今回の感想として…イギリスの版権者から指摘されたことは、よく考えてみれば2点共もっともなことで、逆にそのことで、本当にピーターラビット達は大切に扱われているな…という印象を受けました。もう106歳のピーターラビット。一世紀を超えても世界中で愛されている理由が少しわかったような気がしました。 ピーターラビットの絵本は、福音館書店から刊行されています。 「ピーターラビットのおはなし」が@、 「こねこのトムのおはなし」はC、 「リスのナトキンのおはなし」はIです。 全部いたずらっ子ばかりです。 |