NO.54 「あらためて…テレビ・ゲームは有害です」 09.09.24

 以前から何度もこのサイトでは、「テレビ・テレビゲームは有害です」ということを記してきたのだが、最近幼稚園におけるインタビュー(誕生会時)などにおいて、「好きなものは?」「ゲーム」という答えが多くなってきたようなので、あらためて皆さんにお知らせする次第である。書いているこちら側からすれば、そんなに何度も言ってもしつこいだろうと思ってしまうのだが、こちらは幼稚園にずっといてある意味、仙人状態にあり、方や園児・保護者の皆さんはどんどん入れ替わっていってしまうので、「えー、そうならもっと早く聞けば良かった」ということになっているかもしれないと思ったのだ。
 皆様ご存知のように、この幼稚園では「絵本の読み聞かせ」を保育の中心・土台としているが、いうなれば、「テレビ・テレビゲーム」は全くこの逆のようなものである。
読み聞かせは、「人が…聞く人のために読んでくれる」のだが、テレビは「機械が…一方的に光と音の情報を垂れ流す」のだ。
 テレビのことを「電子ベビーシッター」と言う研究者がいるが、「電子ベビーシッター」に育てられた子どもは、言葉の発達が遅れる傾向にあるというデータが出ている。これは、人間同士の会話は必ず双方向のやりとりであるのに対し、テレビは一方的な情報の供与で、受け取る方が答えても何の反応もないかららしい。
 当園で教員研修に使用していた「読み聞かせ…その素晴らしい世界」(高文研)の著者ジム・トレリースはテレビのことを「コンセントに繋がれた麻薬」と称す。また、日本小児科学会は特に2歳までは長時間、テレビ・ビデオを見せないでという提言を行った。
 私が最近気になるのはニンテンドーDSなどの携帯型ゲーム機である。イオンなどのショッピングモールに行くと、歩きながらこのゲームをやっている子どもを見かける。電車の中・銀行の待合室・公園のベンチでも同様だ。家でテレビに接続しなければできなかったゲームが、今やどこでもできるようになった。そして少し大きくなってケータイを持てば、そう、すぐにゲーム機に早変わりである。こうなると「ゲームの時間は1日30分ね」と言ったところで、家の外で、それこそどこでもし放題でキリがない。
 幼稚園児だと、まだそんなにゲームにどっぷりという子どもは少ないと思うが、注意が必要なのは上に兄弟がいる場合だ。小学生の、特に男子において、ゲームをやらないというのはサラリーマンがゴルフとカラオケをやらないよりも、さらに特異な立場に立たされると思われる。
 僕は○○君と公園に遊びに行くとお母さんに言って家を出ました。公園のベンチに2人並んで座ってDSを1時間やって帰りました…。という「外遊び」が多くなったのでは、ボールをマトモに投げられない子がクラスに多くてソフトボールの試合ができないと体育教師が嘆くようになったとの報道も納得できる。
もう、この世の中でテレビ・ゲームに触れないで過ごすのは無理だろう。しかし、保護者の皆さんはそれを野放しにするのてはなく、正しい知識をもって対処し子どもが自己コントロールしながらうまく付き合っていけるようにしていただけることを祈るばかりである。

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