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21世紀のコラムcolumn.21.2014~

NO.78 「ジブリといやいやえん」 2014.4.17

一日の生活イメージ

 4月の頭に「三鷹の森ジブリ美術館」に行って来ました。主目的はというと、「くじらとり」の短編映画を観たかったからです。右がそのパンフレットです。
 「くじらとり」は日本の児童文学の歴史を変えたと言われる本「いやいやえん」の中の第2章です。スタジオジブリの宮崎 駿監督は実は若い頃児童文学者になりたかったようですが、アニメの道に進み後年出版した「本へのとびら」(岩波新書)の中で、「いやいやえん」原作者の中川 李枝子さんのことをピーターラビットの訳者で有名な石井 桃子さんと共に「歯が立たない女ども」という表現で尊敬しているということを書いています。
 中川さんと言えば、そう「ぐりとぐら」です。この3月に銀座の松屋で「ぐりとぐら50周年展」が開かれ、それにも行って来たのですが、会場内のVTR上映ブースにて、宮崎さんと中川さんが対談している映像が流されていました。相当親しい間柄のようで、だから「となりのトトロ」の主題歌でもある「さんぽ」の作詞を中川さんに頼んだのかなと思ったりもしました。
 2人に共通するスタンスとは「子ども本来の力を信じ、それに対して変に大人が干渉しないこと」がある気がしています。ジブリ美術館にはトトロに出てくる「猫バス」があり、それがかなり大きく、屋根から子どもが落ちると危険なので規制をしたらどうかという進言を運営会社から受けたそうなのですが、宮崎さんは「どの位の高さに登ったら危ないか危なくないかは、本来その子自身が判断するもの。それをいちいち大人が先回りして干渉するから、そういった大切な判断力が育たなくなる。」と一蹴したというエピソードを聞いたことがありますし、いやいやえんに登場する「しげるちゃん」も、とても子どもらしいいたずらっ子で「大人にとって都合が良い子」では決してありません…。
 「くじらとり」の映画は、原作にとても忠実によくできていました。さすが「スタジオジブリ」制作です。皆さんも機会があればご覧になることをお勧めします。上映されるホールも素敵ですしね。(上映演目は毎月変わるので事前にお調べください。)また、宮崎さんがアニメ映画の構想を練ったり、例えば「魔女」というものについて作画するための膨大な資料が展示されていたのですが、これだけ妥協というものをせずに制作にエネルギーを注ぐからこそ、世界で認められる高水準な作品が生まれているのだということを知ることができ、まだまだ自分という者の勉強不足を痛感させられて帰路につきました。
                                 


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