NO.49 「読んであげても聞かない子」 09.02.23

  この前の新入園児保護者会で、「私達は毎日必ず絵本をお子さんに読んであげますから、お家の方も読んであげてください」とお願いしました。また、お家で絵本を読んであげるのとあげないのでは、3年後、2年後のお子さんには多分違いが出てくるだろうということも…。
会が終わってしばらくした頃、あるお母さんが相談に来られました。

「一生懸命絵本を読んであげているのですが、ちっとも聞いてくれません。私の読み方が下手だからでしょうか?」

「それは違います。紙芝居や朗読とは違いますから、お母さんが心をこめて読んでくれればそれでいいのです。絵本がお子さんに合わないのではありませんか? 図書館などに行かれて色々な絵本を借りてきてみてあげては…」

「いいえ、絵本は沢山の種類を持っていて色々読んであげています。どの本を読んでも、たいてい立ちあがって私の持っている絵本を早く早くというように自分でめくるのです。」

私はピーンときました。
「もしかして、ご家庭でテレビやアニメを長時間見せているようなことはありませんか?」

「はい、子ども部屋にケーブルテレビを引いて、ディズニーチャンネルやキッズステーションを毎日好きなだけ見せています。」

「それが原因です。テレビアニメのコマ数は1秒間に24コマです。そちらにお子さんの脳が慣れてしまってお母さんか読む絵本では遅くてまどろっこいのです。このままにすれば、人の話が聞けない子になってしまいます。人と人との話は1秒24コマでは進みませんから…。
テレビを一切見ないのは無理でしょうから、どうしても見たい番組だけ見せて、番組が終わったらスイッチを切るようにしてみてください。自分で切れると、なおいいですね。」

「わかりました。やってみます。」

言葉が遅い、落ち着きがない、人の話を聞かない子が全国的に増えて、各地の幼稚園や保育園・そして小学校も苦労しているようです。 さいたま市の小学校では、毎月23日をノーゲーム・ノーテレビデーと定めて運動を行っていますが、各家庭においても、上記のような「メディア」の影響を少しでも考えていただければ幸いです。

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